安倍晋三首相の連続3選が決まった自民党総裁選で「衝撃」を与えたのは、石破茂元幹事長の予想外の「善戦」だけではない。今回から国会議員票と同数に増やした地方票の「関心」である。都道府県全体の投票率は61・74%と、2012年の総裁選とさほど変わりはない。だが、本来ならば高い投票率が見込まれていた、ある県の「関心」が極端に低かったのだ。もうお分かりだろう。その県とは、9月30日投開票の知事選が行われている沖縄県である。閣僚や党幹部らが連日のように応援に入っている沖縄県で、なぜ投票率は急落したのか。言論ドットコム編集部は、その背景を探った。

 まずは、今回の自民党総裁選の数字を見てもらいたい。都道府県全体の投票率は、選挙戦となった6年前の総裁選から0・77ポイント減だった。安倍首相のおひざ元である山口県は75・04%、石破茂元幹事長の鳥取県は83・38%、竹下亘総務会長の島根県は75・07%、二階俊博幹事長の和歌山県は76・32%など、党幹部らの地元の関心は高い。

 投票率が50%を下回った県の数は、2012年の総裁選と同じ2つ。長崎県と沖縄県だ。長崎県は2012年総裁選で投票率が最低の47・68%だった。6年前、投票率49・69%でワースト2位だった鹿児島県は今回、10ポイントも上昇した。

 だが、今回ワースト1位の沖縄県は「急落」という言葉が当てはまる。2012年は62・92%で平均を上回っていたが、今回は38・94%にまで激減した。「有権者」の6割超が投票しなかった計算だ。ちなみに4割を下回った自治体は、この6年間で他に1つもない。民放の与党担当記者の解説を聞こう。「今回の総裁選の日程は沖縄知事選と重なり、投票率は高くなるだろうと見ていた。結果はその真逆。自民党の支持者である党員・党友が、仮に知事選でも投票しなかった場合、相当なダメージがあるのではないか」。

 2012年と2018年の総裁選投票率を見比べてもらいたい。青字は高い方を意味する。

【投票率の比較】(%)
(北海道)
2012年総裁選 62・52
2018年総裁選 59・07

(青森県)
2012年総裁選 65・20
2018年総裁選 59・87

(岩手県)
2012年総裁選 57・87
2018年総裁選 56・51

(宮城県)
2012年総裁選 61・86
2018年総裁選 69・86

(秋田県)
2012年総裁選 63・98
2018年総裁選 70・15

(山形県)
2012年総裁選 63・44
2018年総裁選 66・03

(福島県)
2012年総裁選 57・83
2018年総裁選 59・21

(茨城県)
2012年総裁選 56・92
2018年総裁選 57・74

(栃木県)
2012年総裁選 66・79
2018年総裁選 61・92

(群馬県)
2012年総裁選 58・77
2018年総裁選 62・55

(埼玉県)
2012年総裁選 60・39
2018年総裁選 60・77

(千葉県)
2012年総裁選 63・00
2018年総裁選 57・05

(東京都)
2012年総裁選 64・50
2018年総裁選 65・68

(神奈川県)
2012年総裁選 63・75
2018年総裁選 58・70

(新潟県)
2012年総裁選 64・68
2018年総裁選 71・64

(富山県)
2012年総裁選 63・14
2018年総裁選 67・83

(石川県)
2012年総裁選 57・58
2018年総裁選 61・18

(福井県)
2012年総裁選 68・44
2018年総裁選 65・22

(山梨県)
2012年総裁選 66・17
2018年総裁選 56・66

(長野県)
2012年総裁選 60・70
2018年総裁選 57・78

(岐阜県)
2012年総裁選 65・28
2018年総裁選 59・97

(静岡県)
2012年総裁選 69・97
2018年総裁選 62・42

(愛知県)
2012年総裁選 61・73
2018年総裁選 60・83

(三重県)
2012年総裁選 58・95
2018年総裁選 61・55

(滋賀県)
2012年総裁選 69・80
2018年総裁選 66・71

(京都府)
2012年総裁選 65・82
2018年総裁選 63・03

(大阪府)
2012年総裁選 63・80
2018年総裁選 54・56

(兵庫県)
2012年総裁選 63・75
2018年総裁選 65・28

(奈良県)
2012年総裁選 69・15
2018年総裁選 64・62

(和歌山県)
2012年総裁選 73・45
2018年総裁選 76・32

(鳥取県)
2012年総裁選 83・20
2018年総裁選 83・38

(島根県)
2012年総裁選 70・51
2018年総裁選 75・07

(岡山県)
2012年総裁選 59・50
2018年総裁選 58・62

(広島県)
2012年総裁選 66・65
2018年総裁選 74・67

(山口県)
2012年総裁選 75・64
2018年総裁選 75・04

(徳島県)
2012年総裁選 74・27
2018年総裁選 69・41

(香川県)
2012年総裁選 63・32
2018年総裁選 55・75

(愛媛県)
2012年総裁選 57・72
2018年総裁選 58・06

(高知県)
2012年総裁選 60・07
2018年総裁選 63・00

(福岡県)
2012年総裁選 60・98
2018年総裁選 55・14

(佐賀県)
2012年総裁選 64・41
2018年総裁選 63・45

(長崎県)
2012年総裁選 47・68
2018年総裁選 49・79

(熊本県)
2012年総裁選 54・05
2018年総裁選 51・32

(大分県)
2012年総裁選 62・85
2018年総裁選 57・00

(宮崎県)
2012年総裁選 52・61
2018年総裁選 61・70

(鹿児島県)
2012年総裁選 49・69
2018年総裁選 59・10

(沖縄県)
2012年総裁選 62・92
2018年総裁選 38・94

(合計)
2012年総裁選 62・51
2018年総裁選 61・74

《2 「与党幹部が続々 冷める沖縄?」に続く》

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言論ドットコム編集部

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