政党支持率が1%程度に低迷している国政政党・日本維新の会の「内部対立」が激しさを増している。「切り込み隊長」とも言われる足立康史衆議院議員が、今度は本家「大阪系」の東徹参議院議員にかみついたのだ。足立氏は約2週間前に片山虎之助共同代表や馬場伸幸幹事長らをツイッターでこき下ろし、「維新解党」にまで言及したばかり。大手メディアはなかなか触れないが、維新内の対立は深刻化しているように映る。

 党内対立を繰り返してきた維新は元々、橋下徹前大阪市長や松井一郎大阪府知事(党代表)、東徹総務会長ら「大阪系」と、国政進出後に参加した「外様系」でカラーが異なってきた。政党支持率が1%程度と低く、国政選挙で議席を減らしても最近は分裂がなかったのは、「地元・大阪」での影響力を維持し続けてきたからだ。維新は、大阪府知事と大阪市長の二枚看板を中心に「大阪系」が牽引しており、再び「大阪都構想」の住民投票で敗北しない限り当面は「権力」を握る。

 だが、「大阪系」以外の国政維新には「見せ場」がないのが現状でもある。与党でも野党でもない、是々非々の「ゆ」党路線は国民から分かりにくく、そればかりか「維新は自民党の言うことに従うだけの補完勢力」(野党幹部)と揶揄される始末。保守系メディアが好調といわれる今日は、維新が批判されるニュースはあまりないものの、在京メディアに大きく露出することもほとんどない。

 ある全国紙の政治部記者は「維新関連はあまりニュース価値がなく、原稿がボツになることも多い。『維新といえば橋下氏』という程度にしか思われていないのではないか」と語る。

 こうした惨状を打開するために、足立氏は執行部刷新など「党改革」を求めているというわけだ。まずは、ツイッター上で展開している「論争」の数々を時系列でご覧いただきたい。足立氏は、安倍晋三首相が目指す憲法改正について維新内の対応に不満があるようで、

「国会議員団で議論すると、すぐに松井代表が後ろ向きだから云々と、もごもごする」(10月27日14時47分)

 これに反応したのが、東総務会長だ。東氏はツイッターに「松井代表が後ろ向きというのは初耳ですね。一体、いつそんな話し(原文ママ)が出たのかな?」(10月28日21時44分)と不快感を示した。以降は、ツイッター上での「公開ケンカ」が披露される。

足立氏(10月28日23時9分)
憲法9条について話がないのが問題だと言っているんですよ。分かりませんか
ご自分の選挙しか関心ないからかスルーする。そんなことで国政維新は支持者の負託に応えられるんですか。自民党の憲法9条加憲案に関する東さんの考えを開陳下さい。

東氏(10月28日23時14分)
そのことは憲法調査会で議論すべきことです

足立氏(10月28日23時28分)
ダメだな、これは…最低のつまらない返信。

足立氏(10月28日23時36分)
大阪選出の国会議員に闘う姿勢が見受けられない。東さんに至っては大阪だけを死守することを勝敗ラインに引いている。保身との誹りも免れまい。

東氏(10月28日23時45分)
僕は大阪を死守するとは言ってませんよ。この件については、足立さんと2回電話で話しましたよね

足立氏(10月29日0時15分)
電話で片山虎之助代表は任に耐えないと申し上げたら、松井代表の指名だからと思考停止になられました。いまの執行部体制では大阪以外は厳しいと申し上げたら、大阪で勝てば勝ったことになる、と仰いました。ああ、この方はご自分のことしか関心ないんだな、当に大阪籠城作戦、と残念に思った次第です。

東氏(10月29日7時33分)
決して大阪籠城作戦ではないと否定しましたよね。それで全国は難しい、都市部の政党を目指すべきだと。

足立氏(10月29日8時47分)
今のままで大阪以外の全国の都市部で勝てるんでしょうか。
結局、大阪のこと、自分のことしか考えていない。

 激化する「党内対立」を目の当たりにした松井府知事は10月29日10時32分、ツイッターに「足立さん、僕の憲法9条の考え方は二項削除です。」と書き込み、足立氏も「松井代表、ありがとうございます。国会議員団で議論し、速やかに独自案を取りまとめて参ります。」と冷静に応じたが、東氏に対しては「それにしても東参議院議員の対応は目に余る」と怒りがおさまらない様子。

 東氏との「論争」はストップされたものの、足立氏は10月29日夕方近くになっても「そんなことだから、地方議員あがりの国会議員は役に立たない、と言われるんだ。」(10月29日16時32分)と厳しく指弾。さすがにこれはマズいと思ったのか、その約3時間後に「地方議員あがりの国会議員は役に立たない、と言われるんだ。については、地方議員をバカにしてるのではないかとのご批判を頂戴しましたので、そうではない、と明確に申し上げておきます。」(10月29日19時54分)などと“釈明”した。

 今回、維新内の「内部対立」が深刻と見られているのは、構図がこれまでとやや異なるからだ。大阪系とそれ以外の対立ではなく、「大阪内部」の対立ともいえる。足立氏は引き続き執行部の刷新など党改革を訴えていく構えのようだが、そうした動きに追随する議員が他にも出てくるのか。ある全国紙記者はこう苦笑した。「切れキャラとボケる人、何もしない人…まるで大阪のお笑いを見せられているようだ」

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