世の中には「常識的には反するが、真実だ」ということがあります。「日本の財政再建は終わってる」というのは、その典型例ですね。

 誰もが「日本の財政は危機だ。GDPの200%以上も借金あるなんて終戦間際の頃と同じだ」と聞かされてきました。「だから消費増税が必要」となるわけですが、これがとんでもないフェイク。

 財界のお偉方も、大新聞も、国会議員の多くもこのフェイクを信じて止みません。マインドコントロールというのは恐ろしいもので、一旦刷り込まれてしまうとなかなか呪文が解けなくなってしまう。これを象徴の操作と言います。

 バランスシート(BS)のわかる方なら、借金の反対側はフローのGDPではなく、資産があることに気づくはず。財務省が公開している国家財政BSでは、一般会計・特別会計・独立行政法人など連結した負債合計は約1450兆円。

 一方、資産合計は約1000兆円。日本政府は、アメリカ連邦政府よりもはるかに巨大な資産を保有する特異な存在ですね。その内ダムとか道路とか有形固定資産は200兆円にも満たず。資産負債差額は450兆円。これが政府発表のネットの赤字。名目GDP約550兆円の8割以下ですよ。

 大半は貸付け金・出資金・有価証券などといった金融資産なのです。なぜ、これだけ多くの金融資産を持っているかと言えば、天下りのネットワークを維持するために必要だから。独立行政法人・特殊法人・政府系金融機関・特別会計等々いろんな仕掛けで天下りは行われています。

■増税の前にやるべきことがある!

 増税の前に資産売却が先でしょ。民間企業がリストラやる時は、余剰資産の売却から始めます。製品値上げ・料金値上げから始める企業は、お客様からソッポ向かれますよ。消費増税ってそういうこと。旧みんなの党はこのアジェンダを徹底して訴えていましたが、今はどこも言わないね。

 資産負債差額が450兆円と財務省のHPには書いてありますが、実は政府の子会社である日本銀行は450兆円の国債を持っており、政府が日銀に払う利息は日銀納付金として政府に戻ってきます。ってことは、日銀まで含めた統合政府のBSは、債務超過なし。財政再建は終わってるということです。

 ちなみに、「日銀だって負債を持ってる」という人がいますが、日銀の負債は現金と当座預金。無から有を作れる日銀にとって負債性はありません。現金は紙のおカネ、当座預金は現金と同じ。

 銀行は日銀の当座預金で決済ができます。銀行間の決済も当座預金でできるし、日銀が銀行から国債を買えばその銀行の当座預金残高を増やせばいいだけ。無から有を作るとはこういうことです。

 日銀まで含めた国家財政の統合BSは増税したい人達にとって「不都合な真実」なので、ほとんど宣伝されません。「常識には反するが、真実だ」ということを見極めれば、魔法の呪文から解き放たれますね。

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参議院議員 渡辺喜美

参議院議員 渡辺喜美

1952年3月17日、栃木県那須塩原市生まれ。早稲田大政治経済学部・中央大法学部卒。渡辺美智雄元通産相の秘書を務めた後、1996年の衆院選で初当選。2006年の第1次安倍晋三内閣や福田康夫内閣で行革担当相や金融担当相を務め、国家公務員の天下り規制を盛り込んだ国家公務員法改正を実現。2009年、みんなの党を創設し、代表に就任した。2016年の参議院選挙で当選し、日本維新の会副代表を務めた後、現在は無所属の参議院議員として活躍している。