何でも「賛成」の与党、何でも「反対」の野党というイメージがつきまとう政界において、改革政党として独自色を見せてきたはずの「維新」が存在感を発揮できずにいる。保守政治家の「スターキャラ」として君臨してきた安倍晋三首相が、いざ憲法改正に向けて本格始動したにもかかわらず、親和性が高いと見られてきた日本維新の会は、いまだスタンスを決めきれずにいるのだ。保守層からの反対論も強い「移民政策」をめぐっては、保守政党の立場から議論に積極参加することが期待されたものの、これもまだ党内でまとまってはいない。「憲法」と「移民」という2大テーマが問われる国会に、維新は「参加」することができるのだろうか。

 「日本維新の会は、自民党に対する本質的挑戦者として、憲法9条改正に向けた独自案を取りまとめ速やかに公表し国民的議論をリードすべきだ。党両院議員総会でも再三促しているが、自民党に気を使っているのか浅田調査会長はじめ執行部の反応が鈍い。臨時国会が最初の正念場、しっかり取り組みましょう!」

 維新の「切り込み隊長」といわれる足立康史衆議院議員は11月9日、ツイッターにこのようにつぶやいた。言論ドットコムは、これまでも維新内の動向については記事化してきたが、党内は今後の方向性をめぐり真剣に議論がなされている真っ最中。ツイッター上では、その「前哨戦」とも「延長線」とも取れるバトルが繰り広げられてきた。

《「頭が悪い!ウソ言うな!…白熱する『維新』の公開バトル」》

《「激しさ増す『維新』の内部対立 再び分裂?」》

《「支持率1%政党「維新」に亀裂 解党も?深刻な改革政党の末路」》

 唐突で恐縮ながら、ここで子供たちに人気のアニメ「名探偵コナン」流に言えば、「あれあれ、あれれ~」と感じる向きもいるだろう。政策立案能力を示すために「目指せ法案100本提出」と銘打ったプロジェクトをはじめ、実際に目標を上回る法案を出してきた維新が、安倍首相が提唱する「憲法改正」と「移民」については、いまだスタンスすら決められていないのだから。「憲法改正」については維新創業者の橋下徹前大阪市長らが改憲論議の旗振り役を務め、2016年3月には「憲法改正原案」までまとめていたはず。

 だが、この「おおさか維新」時代に決められた原案にあるのは、①教育無償化②統治機構改革③憲法裁判所―の3項目で、憲法9条については触れられていなかった。安倍首相の「本気度」を確かめるように、2017年9月には日本維新の会として党憲法改正本部会議での議論をはじめたが、「安倍改憲案」へのスタンスは不透明なままだ。

《2 「党内議論は本当にまとまるのか」に続く》

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言論ドットコム編集部

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