法務省
「お答え致します。今回の受け入れ制度は現行の専門的技術的分野における外国人の受け入れ制度を拡充いたしまして、一定の専門性技能を有する外国人に限って、我が国に受け入れることによって、深刻な人手不足に対応しようとするものでございます。御指摘の外国人材の受け入れ見込みにつきましては、各所管、省庁において精査、検討して推計したものでございますが、これは現時点におきます人手不足数を基本といたしまして、これに生産性向上でございますとか国内人材確保のための取り組みが最大限尽くされることを踏まえた受け入れ見込み数でございます。その上で専門的技術分野とは評価されない分野、すなわち御指摘の単純労働者を含むかどうかということでございますけども、そういったいわゆる専門的技術性がまったく必要ない方々につきましては、そういう方々を受け入れるかどうかについは幅広い観点から国民的コンセンサスを踏まえつつ、政府全体で検討していく必要があり、今回の新たな外国人材の受け入れにおいてはその分野を対象としているものではないものでございます。そのため、そのような単純労働者と、いわゆるそういうような分野に関しましては、ここの点の人手不足対応につきましては、例えば設備投資でございますとか技術革新といったような生産性向上等によって対処すべきものである、そのように考えているところでございます」

串田氏
「今の説明でありますと、今回出されました14業種の中で人材不足の見込み数と、現時点と書かれているんですが、そうすると、この現時点での数字というのは単純労働者の不足は入っていないということでよろしいでしょうか

法務省
「入っておらないという計算でございます」

串田氏
「ということは、これは相当程度の技能や知識が必要で足りない数がこの人材不足の見込み数、現時点という風に私は理解致しました。したがって、単純労働の人手不足はここに入っていないということで先に進めさせていただきます。ところで労働契約法が2013年に施行されまして、今年が有期雇用から無期雇用に変わることのできる5年後になるわけなんですけども、日本人が非正規から正規にかわれる非常に大事なこの時期なんです。企業も人手不足ですから有期から無期に変えないと人手不足を補えない。今まで非常に都合がよかったです。有期をずっと繰り返していって、仕事が必要なければ雇い止めをする、必要があれば更新をする、そういう意味では働いている側としては大変に不安定な状況だった。それでは、日本は変わらないなということで2013年にでき上がったのが労働契約法なわけですね。これを法改正して外国人が入ることになるとすると、せっかく日本人の非正規雇用が、今度は正規に変われるな、有期から無期に変われるなという期待をいや、もうあなた辞めてくださいよと、ちゃんと外国人がやると言っているんだから、ということになってしまうんじゃないかという懸念は非常にあると思うんです。これはどういうことになってくるかというと、労働力不足を生産性向上やあるいは国内人材でおぎなっていくといいながら、足りない部分、将来的に足りない部分が蓄積されていくかに見えながら、実は日本人の雇用が外国人に入れ替わっていってしまう懸念もあるんです。この懸念というのはどうやって、そうじゃないと言い切れるのでしょうか」

法務省
「申し訳ございません。先程の答弁を少し訂正させていただければと思います。私が申し上げましたのは、受け入れ見込み数の中には単純労働者は入っておりませんが、人手不足の中にはいわゆる単純労働者は入っておりまして、その人手不足の部分の単純労働者に関しましては、生産性向上等によってまかなっていくという、そのようなお答えしたつもりだったので、ここを訂正させていただければと思います」

厚生労働省
「労働契約法の無期転換ルールのおたずねについてお答え致します。各企業におきまして、どのような労働者を雇用するかにつきましては企業や業種ごとに事情は様々であると考えております。したがって、御指摘の労働契約法の転換ルールに関しまして、日本人を雇い止めをして代わりに外国人を採用することとなるかにつきましては、一概には申し上げることは困難であると考えております。なお、厚生労働省としては、無期転換ルールを意図的に避ける目的で雇い止めをすることは労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではないと考えておりまして、この趣旨を的確に啓発指導してまいりたいと考えております」

串田氏
「いや、啓発指導したとしても法律的に違反じゃないんですから、それをどうやって阻止するのかということをやはり一緒に合わせて提案していかなければ、一概に言えないというのは、そういう風になることもあるということですので、これは非常に問題ではないかと思います。そしてですね、いま訂正がありました人材不足の見込み数の中には、単純労働と相当程度が両方入っているという話ですよね。今までは生産性向上と国内人材を差し引いた分をおぎなうといっているわけですから、この数字の中で単純労働と相当程度というものの数字を分けてもらわないと外国人を受け入れるというの、これは私たちも検討できないと思うんです。ぜひ、その資料提出を検討してもらいたいと思います」

 先の内閣改造で初入閣した山下法相による突然のリフレーズには驚かされたが、それはさておき、今回の質疑で串田氏は①実質的に移民ではないのか②特定技能1号だけではなく2号も盛り込む理由③日本人の雇用は守られるのか④単純労働者はどうなるのか―などの点を突き、政府の意図や問題点などが分かりやすいものとなった。政府は11月16日も失踪技能実習生の調査結果にミスがあったなどと発表、来年4月の導入に向けて焦りも目立つ。

 異例のスピードで審議が終わり、11月末の採決強行が現実味を帯びている今回の大改正。なぜ政府は来春導入にこだわるのか、日本人の雇用や所得は本当に守られるのか、などの疑問点は多く、まだまだ国民の懸念は払拭されてはいないだろう。読者の皆さんはどう感じているだろうか。言論ドットコム編集部は随時、国会における議論も掲載していく。

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