外国人労働者の受け入れ拡大に向けた出入国管理法改正案の本格審議が11月21日、始まった。失踪実習生の調査結果に誤りが見つかるなど政府側の失態が目立っているが、与党は日本維新の会など野党の一部の協力も得て予定通り11月27日に衆議院を通過させ、会期内成立を目指す方針だ。

 この入管法改正案の問題点は数多く指摘されているが、言論ドットコム編集部が今回注目したのは「日本人の労働条件は落ちないのか」。政府は2019年4月から5年間で最大34万5000人を受け入れると見込むが、それによって日本人の雇用・所得に悪影響は出ないのだろうか。

 その点がフォーカスされたのは11月21日の衆議院法務委員会だ。日本維新の会の串田誠一衆議院議員が受け入れ見込み数の「矛盾」をつきながら迫っていった。今回も書き起こしたのでご覧いただきたい。

串田誠一氏
「特定技能1号に上がっていって、そうしたら、やっぱりそこで働いている人はそこの企業のその環境のまま働き続ける可能性があるわけでしょ。それは何を意味するかというと、日本人の労働環境が引きずりおろされるということなんですよ。あるいは、賃金を高く要請している日本人が駆逐されていってしまうということなんですよ。だから、こういう環境があるものは失踪の、失踪先だけを調べればいいというものではなくて、失踪が何で原因であるかということを解決しないと、日本の労働条件というのはちっともよくならないと思うんですが、大臣はそうは思わないですか」

山下貴司法相
「そのような認識も踏まえてですね、総合的に実習制度について門山(宏哲)政務官をトップとしたプロジェクトチームに検討していただきたいと指示をしたところでございます」

串田氏
「前回、2013年の労働契約法の説明をさせて頂きました。ようやく5年後、非正規から、要するに有期雇用から無期雇用に変われるチャンスの時に、ちょうどその時にこういうのを持ち出されてしまうと、せっかく労働不足で、有期から無期に変われるという、いま日本人がそういうチャンスを得ているわけですよ。企業としても大変ですよ、人手不足ですから。どうしたらそれをこう充足しようかと悩んでいる。そうした場合に有期をずっと繰り返していった日本人が、いや無期にしてもらわなければ採用を続けられないよと言えば、これは労働者の側から無期に要請できるという、そういう契約が2013年にできたばかりなんですよ。そして、それがちょうど今年の2018年。それが外国人が入ってきたら、せっかくそのチャンスを奪うんじゃないかと質問させてもらったら、そうはならないように啓発活動をしていくというんですよ。そういうのでいま私がいった危惧というのは解決できると思いますか」

山下法相
「まず、私からお答えさせていただきますと、今回の制度においてですね、新たに外国人を受け入れることによって日本人の雇用が奪われることはあってはならないと考えておりまして、これにつきましては、今回の受け入れというのは生産性向上や国内人材の確保の取り組みを行ってもなお当該分野の存続・発展のために外国人の受け入れが必要と認められる分野に限って行うことが大前提となっております。委員が御指摘の、有期から無期雇用になるというようなところ、あるいは国内人材の確保をこれはしっかりやっていただくというのは大前提でございまして、その機会を奪うという形で各省庁は算定しているのではないという風に考えております」

串田氏
「ちょっと質問の内容を変えますが、農業の分野で特定技能1号、要するに相当程度の知識または経験による技能を有する業務というもの、これはそうでない単純作業といま言った特定技能1号が要求するレベルというのは、例えば農業でいうと、どういう作業として分けられればいいんでしょうか

農林水産省
「お答えいたします。いま、おたずねの単純労働という言葉につきましては、様々な文脈で用いられておりまして、具体的な例示を含めまして、一概にお答えするのは難しいと考えています。そういう意味で農業につきまして、これを区分けするといったようなことは行っていないということでございます。その上で、今回の新たな受け入れ制度につきましては、深刻な人手不足に対応するため、即戦力として活動するために必要な知識経験を有する外国人に限って特定技能1号として受け入れるものと認識しています。農業につきましては、技能実習制度において2号終了時において行われます技能評価試験、その内容を参考にいたしまして、業界団体、農業関係団体とも相談しながら生産現場ですぐに作業ができる水準の技能を求める方向で検討しているところでございます。具体的には苗の植え付けですとか、あるいは収穫の適期を理解して対応できる、あるいは基本的な肥料や農薬の種類を選択できる、またライフサイクルに応じて家畜の飼養管理を理解し、対応できるといったところを考えておるところでございます」

串田氏
「漁業も今日は担当の方が来ていただいているんですが、漁業も分けられるんでしょうか」

水産庁
「お答えいたします。漁業につきましても、先程も農業の関係で答弁を申し上げたものと基本的には同じです。漁業につきましても、技能実習制度において2号終了時に行われます技能評価試験の参考にいたしまして、例えば生産現場ですぐに作業できる水準として、漁船漁業の場合、魚群を探し機器を操作して、魚介類を船に取り込む、その鮮度を保持するといったような一連の業務に対応できる。養殖の場合ですと、成長具合に応じた選別、飼育といった一連の業務に対応できるといった技能を求めるといった方向で検討しているところでございます

《2 「そんなのありえない!」に続く》

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