外国人労働者の受け入れ拡大に向けた出入国管理法改正案、いわゆる「移民法案」が11月27日、衆議院を通過した。自民、公明両党は日本維新の会と改正案の修正で合意しており、会期内成立を図って来年4月の新制度導入を目指す。言論ドットコム編集部は、11月27日の衆議院本会議における賛成討論と反対討論の模様を書き起こしたので是非ご覧いただきたい。今回は自民党の平沢勝栄衆議院議員による賛成討論である。

平沢勝栄氏
「自由民主党の平沢勝栄でございます。私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました出入国管理および難民認定法および法務省設置法の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論をいたします。アベノミクスの推進により成長から分配の経済の好循環が確実に回りつつある中、有効求人倍率は約44年ぶりの高さとなっています。その一方で、少子高齢化の影響により、労働力となりうる生産年齢人口は年々減少し、本年1月にははじめて全人口の6割を割りました。このように現下の人手不足の状況は極めて深刻であり、私の地元の中小企業などでも人手不足の窮状を訴える声は極めて切実なものがあり、このことはここにおられる皆さん方すべてに共通の認識ではないかと思います。本法律案は、まさにこうした現下の人手不足に対応するための重要な法案であり、一日も早く成立させる必要があると考えています。

今回の受け入れ制度は現行の専門的技術的分野における外国人の受け入れ制度を拡充するものであり、真に人手不足の分野に限り、期限をふして、一定の専門性や技能を有し、即戦力となる外国人に限って受け入けを行うというものであります。いわゆる移民政策でもなければ単純労働者を受け入れるものでもありません。政府が示した現時点での特定技能1号による5年間の受け入れ見込みの数は最大で34万人程度であり、我が国の現在の総人口のおおむね0.2~0.3%に相当するものでございます。さらに、特定技能2号につきましては、熟練した技能を有し、難易度の高い、試験による選定を経ることから、受け入れのハードルは相当限られた人数になると考えています。しかしながら、一部の野党は移民法であるなどと主張し、ことさらに国民に誤解を与えるレッテル張りをしているのは、大変残念でなりません。また、一部の野党は本法律案につきまして中身がないなどと批判もしていますが、本法律案では特定技能の在留資格に関する規定のほか、受け入れ機関等に関する規定、支援に関する規定の他、在留管理の強化に関する規定として、届け出事項の拡充や受け入れ機関等に対する指導助言、立ち入り検査や改善命令等が設けられているなど、その内容は多岐にわたっています。

野党はそうした本制度の中身に関する質疑よりも、別の制度である技能実習制度をことさら取り上げ、あたかも本制度にも問題があるような態度に終始しました。しかし、野党の指摘は旧制度下における問題点であって、平成29年11月以降は新たな技能実習が施行されており、そのもとで様々な対応策が実施されていることは、ご案内の通りでございます。しかも、今回における制度では旧技能実習制度についての指摘を踏まえ、在留管理を強化するなど適切に対応できる仕組みを考えているわけで、技能実習生にとってもメリットの大きい制度といえるわけでございます。ただ、失踪した実習生のデータ集計に誤りがあったことにつきましては極めて遺憾であり、このことにつきましては与党としても法務省に強く猛省と再発防止を申し入れたところであります。ともかく技能実習制度の労働環境などに一部問題があることは事実ですが、ほとんどの技能実習生は真摯に実習に取り組み、制度が適切に運用されているのが実態であります。このことは、ベトナムやインドネシアなど多くの国から技能実習制度が高く評価されていることからもうかがえるところであります。一部の野党による改正案審議の前提が崩れたなどというのはまったく見当違いといわざるを得ません。

現下の深刻な人手不足への対策は待ったなしの状況にあり、法務委員会では制度の必要性、受け入れ業種とその見込み数、特定技能の要件、技能実習制度との関係などについて参考人質疑も行いつつ、必要な審議を行ってきました。新たな制度に対する懸念についても質疑がなされ、今回の受け入れによって日本人や雇用や治安に影響を与えないという点についても丁寧な説明が行われたところであります。その上で、本法律案につきましては今般、自民、公明、維新の3党で修正をし、地域における人材不足の状況に配慮する規定や所要の検討事項などを設けたわけであります。これによって改正法律案はより充実し、より幅広く国民から支持される内容になったものと確信しております。最後に、現下の深刻な人手不足に状況に対応するためには本法律案を早期に成立させ、持続可能な経済社会を実現させていくためには必要であることを重ねて申しまして、私の賛成討論といたします」

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言論ドットコム編集部

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