日本がバブル崩壊後、長期停滞に陥った最大の理由は、「やってはいけない時」に増税(緊縮財政)・金融引締めをやったことです。人口減少や少子高齢化のせいではなく、ただ単にマクロ経済政策の国家経営に失敗しただけのこと。積極財政・金融緩和を継続的にやってこなかった財務省・日銀・政権与党の責任は大きい。

 表をご覧いただきたい。⓵は、一般会計・特別会計に独立行政法人などを連結したもの。資産負債差額(ネットの赤字)は約480兆円。よく言われる「GDPの200%超える赤字」の半分以下に減っています。資産の部にはやたら金融資産が多いのが特徴で、これらは「天下りネットワーク」に流れ込んでいます。つまり、天下り先を確保するため、世界一大きな金融資産を抱え込んでいるということ。

 ⓶は、政府の子会社である日銀のBS(バランスシート)で、日銀の保有国債は政府が持っているのと同じですから、相殺できちゃいます。
負債の部の現金・当座預金はベースマネーと呼ばれ、現金と同じ。銀行は0・03%の10年物国債を日銀に買ってもらい、いつでも現金化できる当座預金に0・1%で入れておく訳ですから、ボロい商売ですね。これは白川日銀総裁のときに始めた銀行への補給金みたいなもの。当座預金のうち200兆円くらいあります。

 当座預金は、イコール現金ですから、例えてみれば、預金証書を現金がわりに銀行間でやり取りが可能です。日銀にとっては預金者が変わるだけ。現金が欲しいという銀行には、日銀の金庫に入っている間はただの紙切れにすぎないお札を渡してやればよろしい。1万円のコストは18円くらい。 あとは日銀の儲けになる=国庫納付金になる。日銀のBS上、負債の部に載っかっていても負債にあらず、ということです。

⓷は、⓵と⓶を合算したもの。統合BSです。資産負債差額が約480兆円とありますが、現金・当座預金約440兆円には負債性はないのでネットの赤字は、約40兆円ということになります。これが「危機」と喧伝される日本財政の「不都合な真実」であります。やはり、正しいマクロ政策を持った政党が必要です。

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参議院議員 渡辺喜美

参議院議員 渡辺喜美

1952年3月17日、栃木県那須塩原市生まれ。早稲田大政治経済学部・中央大法学部卒。渡辺美智雄元通産相の秘書を務めた後、1996年の衆院選で初当選。2006年の第1次安倍晋三内閣や福田康夫内閣で行革担当相や金融担当相を務め、国家公務員の天下り規制を盛り込んだ国家公務員法改正を実現。2009年、みんなの党を創設し、代表に就任した。2016年の参議院選挙で当選し、日本維新の会副代表を務めた後、現在は無所属の参議院議員として活躍している。