ここは世界で最も住みやすい町の一つ。オーストラリアのパース。

 さまざまな「住みやすい町」、「移住したい町」、そのようなランキングでは必ず上位に顔をだす。

 パースだけじゃない、シドニーやメルボルンなど、オーストラリアの都市は北欧諸都市と並んでランキング上位の常連だ。

 これらのランキングは、医療、福祉、治安、様々なものを多面的に評価しているものではあって、一概には言い難いのだけど、しかし、オーストラリアはなぜ住みやすいとされるのか、そもそも、住みやすさって何だろう。

 ということが気になって、オーストラリアのパースで3週間ほど過ごしてみることにしたのです。

 そのわずかな経験ながらの経験から感じたところをご報告してみましょう。

町の中心の時計塔

住みやすい町の夜は早い

 四時にはカフェは閉まり、八時にはスーパーも閉まる。

 住みやすい町のレストランはバカ高く、コンビニもろくろくないので買い置きの菓子パンなどをほそぼそと食べる。

 ああ、のどが渇いたなあ、コーラでも飲みたいなあ、と思ってもこの時間にそんなものを売ってる場所はない。

 だから、住みやすい町の住人は水筒を持ち歩く。

 明日に備えて水筒を洗い、自分で沸かしたお茶を詰める。

 住みやすい町の午後九時。町はもう寝静まっている。

 東京はまだまだ騒がしい時間。

 夜型の自分にとっては、まだまだこれからなのになあ。。。。

 24時間コンビニが開いている待ちの方が住みやすいような・・・・・

モダンな建築の図書館

住みやすい町はみんなのちょっとの不便から

 しかし、これらが住みやすさと直結する秘密なのである。

 カフェやスーパーが早く閉まることは、従業員が早く帰れることと直結している。

 レストランの値段の高さは、人件費が高いことのあらわれでもある。

 無駄なベットボトルが増えないことは美しい街を作る。

 まとめ買いの習慣も同時に無駄を減らすことにつながる。

 こういう風にみんな少しずつの不便を受け入れることで、大きな便利につながっているといえるでしょう。

シティーセンターのカフェ

なんでこんなライフスタイルに?

 第一には人件費の高さがある。最低時給は約1500円程度。

 カジュアルジョブ、いわゆるアルバイトの場合はもっと高く2000円前後になる。これだけ賃金が高いと、より効率的な経営をする必要がある。そのため、多くの集客が見込めない時間は店を閉めてしまったほうが良いということになるのだ。

 もう一つ、やたら朝方なこともあげられる、多くの人が9,10時に寝て朝5時に起きるような生活をしている。実際オーストラリア人に言わせると、オーストラリアは天気が良いので、朝晴れたらすぐ起きるような生活があっているのだ、ともいう。

 まあでも、実際には店もやってないからすぐ寝てしまうののであって、これは卵が先か鶏が先かみたいな話でもある。

 さらに近年のヘルシー志向の高まりも大きい。

オーストラリアは現在でも、肥満の多い人ランキングでは、アメリカ、チリ、メキシコ、ニュージランド、ハンガリー、トルコ、ポルトガル、カナダに次いで9位である。
http://www.oecd.org/health/obesity-update.htm

 つまり肥満は結構多いとしか言いようがない。
(日本は一番下)

 しかし、90年代から2010年代にかけてずっとアメリカとメキシコと1,2位を争う常連だったのである。つまりこれでも結構頑張った方なのである。

 もちろん、政府は太らない食品の税率を変更してみたり、ジムに入会させるための補助金をばばらまいたりと、もろもろの対策をしていて、それらもそれなりに効果があったのかもしれないが、オーストラリア人の健康志向が極端に健康志向な人々と、ほとんど気にしない人々と大きく二極化したことが大きいようだ。

チャイナタウンの一角

住みやすいってなんだ?

 日本の街では現在も、24時間営業を楽しみ、同時に残業を引き受ける。

 安くて便利な外食を楽しみ、同時に低賃金労働を良しとしてしまう。

 みんなの便利は少しずつ大きな不便、労働環境の悪さにつながっていく。

 日本でも近年は、24時間営業への見直しが始まっている。

 これも本当の住みやすさ、を求める意味でのいい試みにはなるだろう。

住みやすさランキング2018

 ところで、オーストラリアは住みやすいランキング常連と書いておいてなんだけど、CNNの発表した住みやすさランキング2018ではある異変が起こった。
オーストラリア諸都市は軒並み順位を下げ、代わりに入ってきたのが、大阪や、東京である。

https://edition.cnn.com/travel/article/worlds-most-liveable-cities-2018/index.html

 これは今年オーストラリアで起きたテロが関連している。

 これによりテロの危険性の低い相対的に日本の諸都市が順位を上げることになっただ。

 結局なにより安全以上の「住みやすさ」はない、ということでした。

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バイラルワークス 早川大地
1977年東京生まれ。アプリ・音楽・メディア制作を行う株式会社バイラルワークス代表。自身もエンジニア、音楽プロデューサーとしての顔を持つ。現在は東南・東アジア、欧州、中米など1~2カ月ごとに国を移り、十数カ国を渡り歩く「移住生活」を行っている。