毎月勤労統計の不正問題は、日本の官僚制度が相変わらず構造的に歪んでいることを露呈させました。

 統計の専門家であれば考えられないような処理をする。その結果、失業保険や労災保険の支払いに実害をもたらす。増税したい麻生財務大臣発言を切っかけに、サンプル入れ替えで数値かさ上げと疑われることを平気でやり、統計の信頼性を失わせる。

今回の統計不正は悪質性が高い

 何年か前に豊洲市場の地下空洞が露見し、作った都の土木部門が黙っていたものだから市場長も知らなかった、なんていう珍事が大騒ぎになりましたね。今回の統計不正は、法律違反ゆえ悪質性がより高いです。

 官僚の世界に根強くはびこる「自分たちに間違いはありえない」という無謬性は、誰も責任を取らないという無責任体制と表裏一体。またしても繰り返されたな〜

 私がかつて行革大臣として公務員制度改革に取り組んでいた時、各省タテ割り主義をなくし、国家国民の方を向いて仕事する「日の丸官僚」を作ろうと考えました。採用から天下りまで各省ごとに面倒みるやり方は、省益に忠誠を尽くす官僚を作り、各省の規制・統制の既得権益が温存され、国家経営のイノベーションを阻害するからです。

「革命」的な改革

 そこで、内閣人事庁を創設し、官僚の一括採用を行う。本人の希望を勘案しながら各府省に戦略配置し、採用年次や試験区分という身分制秩序を排し、実力主義を徹底する。官民の垣根を低くし、出はいりの簡単な日本型回転ドア方式の公務員制度を作ろう、としました。

 この案を中曽根大勲位にご説明したところ、「渡辺君、これは革命だよ」と言われました。

 その頃、各省から出てきた反論は、「一括採用は官僚の専門性を失わせる」と。結局、この構想は自民党の猛反対を乗り越え閣議決定を経て国会に提出されましたが、野党・民主党を隠れ蓑にした守旧派官僚の腹話術により、国会で修正されてしまい、実現しませんでした。

 今回の不正統計事件は、数学的素養など高度の知識が求められる統計部門に「専門性」は乏しく、罰則付き統計法違反を犯している認識も長年に渡ってマヒ。各省ごとにやっている統計業務が人員削減で回らなくなっている歪みの実態が浮き彫りになりました。

やはり闘う改革が必要だ

グラフは高橋洋一氏

 統計不正事件の落とし前をつけるには、まず、予算が上がったら4月中に消費増税の凍結を宣言する。そして、各省タテ割りの統計部門を一元化した統計庁を創設し、博士号を持った統計の専門家を外部から登用。統計の質を高め信頼性を回復するには、これがベスト!

 みんなの党は官僚制度改革を掲げ、10年前に結党されました。しかし、未だ道半ば。やはり、闘う改革を徹底して訴えるみんなの党が必要です‼️

The following two tabs change content below.
参議院議員 渡辺喜美

参議院議員 渡辺喜美

1952年3月17日、栃木県那須塩原市生まれ。早稲田大政治経済学部・中央大法学部卒。渡辺美智雄元通産相の秘書を務めた後、1996年の衆院選で初当選。2006年の第1次安倍晋三内閣や福田康夫内閣で行革担当相や金融担当相を務め、国家公務員の天下り規制を盛り込んだ国家公務員法改正を実現。2009年、みんなの党を創設し、代表に就任した。2016年の参議院選挙で当選し、日本維新の会副代表を務めた後、現在は無所属の参議院議員として活躍している。