安倍晋三首相(党総裁)は9月2日の政府・与党連絡会議で、内閣改造を来週中に行うと表明した。11月に首相在任日数が歴代最長となる見込みの安倍首相は「連続4選」も視野に入っており、政権浮揚や求心力維持に一役買ってきた内閣改造・党役員人事を効果的に断行したい考えだ。言論ドットコム編集部は今回、これまでの取材を踏まえて、いち早く「入閣」の顔触れを予想した。

■日米交渉で評価を上げた男

 言論ドットコム編集部が今回の内閣改造で、重要閣僚に「出世」すると見るのは茂木敏充経済再生相だ。茂木氏は先の日米貿易交渉をめぐり、予想を上回る攻勢を仕掛けてきたトランプ米大統領から「日本にはすべて頭に入っている男がいる」などとタフネゴシエーターぶりを評価され、安倍首相を喜ばせた。自民党内においても、竹下派の衆院議員をまとめて「安倍3選」のレールをつくった功績は評価されている。

 「頭は良いのは認めるが、他人に対しては厳しすぎる」(自民党中堅議員)と、茂木氏の人柄を疑問視する声は多いが、その「仕事」ぶりに関しては高い評価を得ているのが事実のようだ。

 その茂木氏は今回の内閣改造で、どのポストを射止めるのか。言論ドットコム編集部は、外交手腕を買われて「外務大臣」に就くと予想する。現在の河野太郎外相は対韓関係などで厳しい態度をとり、その手腕も低くはないが、首相官邸サイドからは「変に目立ちすぎている」との声が漏れる。その意味は「安倍政権においては、外交も官邸がやるので、外相は落ち着いて仕事をしてくれれば良い」(自民党関係者)ということのようだ。

■経産再生相は「直系」

 河野外相が外れて、茂木氏が後任に就いた場合、経済再生相には誰が就くのか。「アベノミクスの先導役」となるポストに就任すると見るのは、西村康稔官房副長官だ。今回は「本人もその気」(官邸関係者)とされる。西村氏は元通産官僚の当選6回で、内閣府副大臣や自民党総裁特別補佐などを歴任し、「有資格者」であるのは間違いない。アベノミクスで高支持率を得てきた安倍首相の直系であることからも経済再生相が有力だろう。

■総務相は、ついに「あの男」

 大幅の内閣改造が予想される今回、「もともとワンクッション」(ベテラン秘書)と見られてきた石田真敏総務相の交代は濃厚だ。そして、その後任はついに「あの男」が就任すると言論ドットコム編集部は予想する。

 その男とは、山口泰明衆院議員である。山口氏は、安倍首相や菅義偉官房長官に近く、これまで菅氏から「今回は我慢してほしい。次こそは何とかするから」と言われてきた間柄でもある。菅氏を囲んできた仲間である桜田義孝氏らは入閣してきたものの、山口氏の初入閣は見送られており、「今回こそは期待がかかる」というわけだ。

 だが、先の埼玉県知事選は地元選出の山口氏の奮闘もむさしく惨敗。「国会答弁能力にも不安がある」(自民党関係者)と見る向きもあり、期待通りの活躍をできるかは未知数だ。

■経産相は「アイム・バック」

 もう1つの注目は、経産相ポストだ。世耕弘成経産相は参院執行部入りが有力視されており、そうなれば安倍内閣の「重要ポスト」が空くことになる。安倍内閣では、それまでの政権に大きな影響力を持っていた財務省を極力排除する一方、経産省の裁量を広げており、経産相は大きな影響力を持っている。

 官邸中枢に今井尚哉首相秘書官が君臨する中、首相側近の世耕氏が外れて後任が「軽量級」であれば、省庁と官邸のパワーバランスは一気に崩れる可能性もある。そのため、言論ドットコム編集部は後任の経産相には、甘利明党選対委員長が「再登板」すると予想する。

 甘利氏は経産省内の人望が厚く、また安倍首相の信頼も得ている。スキャンダルによって一時は「失脚」したものの、その後も幅広い分野で活躍しており、その可能性は小さくないだろう。「政界のロボコップ」が再び経産省を引っ張る日は遠くなさそうだ。

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