西日本を襲った豪雨災害は、死者が200人を超える平成史上最悪の水害となった。被災地では倒壊した住宅の復旧作業が懸命に行われているが、作業をより難しくしているのが日本列島の広範囲にわたって照り付ける強い日差しだ。40度近い猛烈な暑さは被災者や全国各地から集まったボランティアの活動を「制限」し、熱中症とみられる症状で病院に搬送される人々も続出している。気象庁は熱中症予防を呼びかけているが、この暑さはいつまで続くのか。

 「西日本と東日本では、7月下旬にかけて気温のかなり高い状態が続く」。気象庁は7月13日、今後も高温が予想されるとして異例の緊急会見を開き、熱中症への注意を呼び掛けた。列島上空の太平洋高気圧が強く、チベット高気圧と重なっているため猛暑が続く見通しだという。7月18日には岐阜県の多治見市で最高気温が40・7度、美濃市で40・6度を記録し、7月としては14年ぶりの40度超えとなった。

 猛烈な暑さの影響で、7月9-15日に搬送された熱中症患者は全国で9956人(総務省消防庁による速報値)。前年の同じ時期と比べると2542人多く、比較的落ちついていた7月の2-8日と比べ3・7倍に増加している。

 都道府県別の搬送状況では、大阪が最も多い752人。2位の東京は7月17日の救急出動件数(稲城市と島しょ部を除く)が2900件に上り、救急業務を開始した1936年以降で1日当たりの出動は最多となった。

 JR東京駅周辺でタクシーを待っていたサラリーマンの40代の男性会社員は「歩くと汗で洋服がびしょびしょになる。朝から暑いので通勤するのも大変で、熱中症にならないよう水分補給を心掛けている」と困り顔だ。

 愛知県豊田市では、7月17日に小学1年の男子児童が校外学習後に死亡し、文部科学省は各都道府県教育委員会に適切な対応を求める通知を出した。

 熱中症は、少なくとも江戸時代には「霍乱」や「中暑」などの言葉で用いられ、庶民が警戒していた歴史がある。今年の日本は熱中症とみられる症状で亡くなる人が相次いでおり、その「危険度」は高いといえる。気象庁が7月19日に発表した向こう1カ月の予報によれば、この猛暑は8月初め頃まで続き、特に7月後半は「危険な暑さ」が続くという。同庁は、こまめな水分・塩分の補給やエアコンの利用などを呼び掛けている。

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言論ドットコム編集部

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