過酷な猛暑の中、西日本豪雨災害の復旧は淡々と進みます。酷暑下では頑張り過ぎないことも大事。最初と2番目の写真は、広島市安佐北区の被災現場です(7月10日撮影)。家がひっくり返っているのがお分かりと思います。まず、道を確保する作業を地元住民主導でやっておられました。下手すると、深い泥にハマって抜けられなくなるような現場です。涙ぐましいご努力でした。

 3枚目と4枚目の写真は、ちょうど20年前の8月、私の地元・栃木県那須町が、5日間で1254ミリの豪雨水害に見舞われた時の写真です。

 小渕恵三首相が雨の降りしきる中、現場に来てくれたのは、ホントに頼りになりました。折しも長期信用銀行を破綻させるか否か、システミックリスク勃発寸前の金融国会の真っ只中でした。当時、国の公共事業費予算は約10兆円。那須大水害の復旧復興は、大方2年で終了しました。

 その後、線状降水帯のもたらす豪雨被害はたくさん起きましたが、公共事業費は低下の一途を辿りました。民主党政権下では4兆円台に。今現在は約6兆円です。当然のことながら、公共事業の執行には、ヒト・モノが必要で、予算をいきなり倍に増やしても、公共事業が倍できるわけではありません。執行されず、基金に積み上がるだけ。

 ご案内のように建設業も今、就業人口はピーク時(685万人)の約3割減で500万人。高齢化し、人手不足は超深刻。型枠大工や鉄筋工などは熟練度が必要。AI・ロボット等生産性向上が、まだまだ人手不足に追いついていない現状があります。

 モノと言えば、まず、公共事業用地、建設資材、建設機械等、いきなり倍にするのは困難。つまり、カネだけ増やしてもついていけないのが、公共事業の世界なのです。計画的にやっていく必要がありますね。公共工事入札の平準化は、単年度予算主義の歪みを背景とした古くて新しい課題。民間・地方も含めた建設投資は、ピーク時(84兆円)の約4割減の約50兆円強。建設業者の数もピーク時60万社の約2割減の約47万社。

 いずれにしても、前代未聞の同時多発被害をもたらした西日本豪雨災害に対しては、最優先で待った無しの非常事態対応をしなければなりません。執行可能な大型補正を組む必要ありますね。

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参議院議員 渡辺喜美

参議院議員 渡辺喜美

1952年3月17日、栃木県那須塩原市生まれ。早稲田大政治経済学部・中央大法学部卒。渡辺美智雄元通産相の秘書を務めた後、1996年の衆院選で初当選。2006年の第1次安倍晋三内閣や福田康夫内閣で行革担当相や金融担当相を務め、国家公務員の天下り規制を盛り込んだ国家公務員法改正を実現。2009年、みんなの党を創設し、代表に就任した。2016年の参議院選挙で当選し、日本維新の会副代表を務めた後、現在は無所属の参議院議員として活躍している。