今夏のサッカー・ロシアW杯で活躍した日本代表の「10番」に移籍話が浮上している。MF香川真司が所属するボルシア・ドルトムントは資金面から余剰戦力の整理を進めるとされ、その1人に香川が浮んでいるというのだ。トルコメディアによれば、司令塔を探しているベジクタシュが獲得に動いている。欧州の名門クラブで躍動し、W杯でも評価を上げた「日本のエース」は、次なる戦いに向けて新天地に挑むことになるのか。

 複数のメディアによると、トルコではベジクタシュのほか、日本代表DF長友佑都が所属するガラタサライも関心を寄せているとされ、強豪2クラブによる争奪戦となる見込みだ。香川はW杯グループステージ初戦で、コロンビアからPKを獲得。自ら先制点をたたき込み、チームを勢いにのせるエンジン役を果たした。

 大舞台で背番号「10番」の重圧をはねのけ、決勝トーナメント進出に導いたエースは「初戦はコロンビアのサポーターが圧倒的に多かった。PKは、キーパーの動きを見て蹴ることができたが、W杯の雰囲気はやはり違う」と試合後漏らしている。飾らない笑顔やファンサービスの良さから人気は高く、そうした点もトルコ勢が獲得競争に乗り出した一因とされる。

 W杯出場選手では、レアルマドリード(スペイン)のスーパースター、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドが移籍金1億1200万ユーロ(約150億円)で、セリエAのユヴェントスに移籍。スペイン代表MFとして活躍したアンドレス・イニエスタは、強豪バルセロナからJリーグのヴィッセル神戸に完全移籍し、新天地で大きな注目を集めている。

 まだ27歳の香川にとって、4年後のW杯は当然視野に入る。本来ならば、その道につながるチームで己を磨き上げ、着々と準備したいところだ。だが、本人は移籍先について多くを語らない。W杯で敗退後に日本に帰国すると、チャリティーイベントやトークセッションに精力的に参加するなどファンサービスを大切にし、「リラックス」した状態で成り行きをただ待っているように映る。

 7月21日、ヤンマースタジアム長居で開催された西日本豪雨に対するチャリティーイベントの質問コーナーで、思わぬ「直球」が投げ込まれた。2年後に迫る東京五輪に「オーバーエイジ枠」で出場したいか、と問われたというのだ。香川は「(代表監督が有力視される)森保(一)さんにアピールしておこうかな」と煙に巻いたそうだが、無関心のはずはないだろう。事実、親しい関係者には「五輪の日本代表は、地方でキャンプした方が良い」などと、そのビジョンを語り始めているという。

 1964年以来56年ぶりの東京五輪で、ピッチを縦横無尽に動き回る香川の姿を見ることはできるのか。これから2年間、日本代表のエースナンバーから目が離せない。

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