日本は、世界2位の長寿国(2016年)だ。1位は男女ともに香港になっているが、日本がナンバー1だった時もあった。日本人の平均寿命は男性が80・98歳、女性が87・14歳で、いずれも過去最高を更新している。

 国内の最高齢は福岡市の田中力子(かね)さんで、1903年1月生まれの115歳だというから驚く。すごく誇らしいことだ。

 最近では「平均寿命」ではなく、「健康寿命」というワードが取り上げられるようになってきた。「健康寿命」は、介護を受けたりせずに日常生活を送ることができる期間を示す。要するに、寝たきり状態になることなく、元気でいきいきとした状態の期間を意味する。今の時代、この「健康寿命」をのばすことの重要性が説かれている。

 この「健康寿命」と「平均寿命」を比較した時、「空白の時間」が流れていることを理解してほしい。

 厚生労働省によると、この「健康寿命」は男性が72・14歳、女性は74・79歳(2016年)。2013年時点と比べて男女ともに延びているが、それでも「平均寿命」との差は男性で約8年、女性は約12年もある。この間は健康な状態ではなく、誰かの助けを必要としながら生きていく。

 これを費用の面からも考えてみたい。介護に必要な費用は月20万円ほどかかるといわれる。両親2人合わせると月40万円。「健康」でなくなってからの10年間を考えると、

 2人で月40万円×12カ月×10年=4800万円

 の費用が必要となる計算だ。両親にある程度のお金がなくては、到底払えないだろう。

 私は、この問題を同じ平成生まれの世代と考えたい。繰り返すが、統計上は男性72歳、女性75歳で誰かの手助けが必要になる。具体的にシミュレーションしてみよう。

 私の家族は、父親61歳、母親57歳、私27歳、弟25歳。あと11年後には父親は介護が必要な年齢になってしまう。まだ母親が元気で介護してくれれば良いが、それでも18年後には両親の介護が必要になってしまうことになる。

 私が45歳の頃、子供には大学も行かせてあげたいと考えているため、お金は貯めておきたい。子供1人を大学までいかせるのに必要な費用を約2000万円として見積もると、2人の場合は4000万円。

 40代の働き盛りのときに親の介護と、子供にかかる費用の「ダブルパンチ」に直面する。サラリーマンの平均年収は、40代男性で568万円、40代女性で290万円(2015年7月「民間給与の実態調査結果」国税局より)。

 当然ながら、これより低い人もいる。共働き家庭でも、なんとかやりくりできるくらいだろう。上の数字をもとに計算すると、2人で約858万円。毎月約70万円の月収だ。

 1人当たり20万円に上る介護費用のうち、たとえ親のお金で半分をカバーできたとしても、自分の両親で月20万円。妻の両親も合わせれば月に40万円が必要となる。家賃を月10万円と計算し、光熱費や保険など、もろもろ合わせて10万円はかかる。これだけで約60万円。子供の教育資金や食費などもカバーしていかなければならないと考えると、恐ろしい。

 今まで自分にかかるお金を出してもらい、育ててもらった親の面倒も見ないのは「親不孝者」だと思っている。とはいえ、事前にしっかりとした準備をしていなければ介護問題は簡単に太刀打ちできないものだろう。「今は大丈夫、後のことは知らない。なんとかなる」というのではなく、平成生まれの同世代には将来をしっかりと見据えて、大切な親との時間を過ごして欲しい。

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起業家 福田雄基

起業家 福田雄基

1991年、千葉県生まれ。日本体育大学卒業後、パーソナルトレーナーを経て、24歳で起業。15年間の野球経験を活かし、体のバランス測定器販売やトレーナー派遣、企業の健康面をサポートするコンサルティング業を展開。近年はトレーニング分野に限らず、通信販売やアイドルのイベント業務・メディア構築・プロデュース業も手掛けている。