2年半ほど前、闘将・星野仙一氏の特別公演を聴きに行った時の話だ。経営者向けに都内で行われた会は約2時間、ずっと野球の話だった。本当に「星野仙一」という男の人生は全てが野球であふれているのだと感じた。

 あの時、星野氏が話していた言葉で、今でも覚えている言葉に触れたい。

 「人生は、まさに野球と同じや。3割打てれば、3割いいことがあれば、上出来や。社会に出るとみんな10割打てると、10割いいことが起きると、思っている。ダメだと不満ばかり漏らす。でも、そうじゃない。ダメな時こそ挑み続ける、打席に立ち続けないと、いいことが起きる打率は上がらないんや」

 星野氏の言葉に皆さんは、何を感じるだろうか。

 たしかに、嫌なことや辛いことがあったら、人間は愚痴を吐いたり、やる気をなくしたり、機嫌を損ねたりする人は少なくない。そういう時に限って、「負の連鎖」が続く人もいる。

 あの天才バッター、イチローといえども「10回に7回」は失敗しているのだ。生きていれば、いろんなチャンスや、様々な選択をする場面が訪れる。それを生かすも、殺すも、自分自身。未来は、自分でつくることができるものであり、打席に立ち続けなければ、未来を変える「挑戦」はできないということだろう。

 普段から、四球(フォアボール)ばかり狙っていないだろうか。チャンスを誰かに譲っていないだろうか。

 「最近の若い人は…」とよく耳にするが、若い人が挑戦をすることをしなくなったと同世代の私でも思うことがある。現実を見て考えることも否定はしないが、「無駄」に現実を見すぎてはいないだろうか。

 「とりあえず、最低限の給料と週末に2日間の休みがあればいいや」と言っておきながら、今の会社は「給料が低い」「自分を成長させてくれない」などと不満を漏らしてはいないか。

 今の何かを打開したいならば、自分から動かないといけない。それなのに、「他力本願」で生きていることはないか。「他力本願」となってしまえば、何かあるたびに他者のせいにしてしまうだろう。

 大事なところで結果を出すには、きちんとした準備が必要となるし、日頃の行動や意識、心構えが「いざ」というときに出るものだ。それまでの学生生活などで学んできたはずなのに、社会に出ると忘れてしまうのだろうか。

 人生を野球のイニング数である「9回」、試合終了を「90代」と仮定しよう。

 どのイニングにどんなチャンスが、ピンチが来るかは、そのイニングにならないとわからない。イケイケのときは、そのまま良いことが続くが、何か嫌だなと思うときには、悪いことが起きる。物事には伏線があるように、今自分が置かれている状況を感じ取れるかということも、人生をいき抜く上では必要かもしれない。

 それこそ、全然得点が入らず、つまらないイニング(人生における時間)もあるが、試合に勝つ、勝ちたいと思い、人生を歩んでいけば試合終盤でもチャンスはくる。

 野球は、どんなに点をとられようが(嫌なことがあろうが)、最終的には1点でも多く点をとっていればいい。まさに、終わりよければすべて良し、だ。

 そのためには、いつくるかわからないチャンスをものにするために、打席に立つ続け、挑戦することが重要ということになる。

 人生の主人公は、自分。自らで好きなように「ストーリー」をつくることができる。「10回中7回失敗」したって良いではないか。その失敗を次の打席でいかし、チャンスをものにすればいい。

 「失敗は成功の基」という諺があるが、私は「経験こそ財産」になると思っている。いろんな経験が、人生にとって財産になる。少しずつでも良いだろう。とにかく前へ進んでみる。こうしたマインドを持ちながら、同世代の皆さんと日本の未来を築いていきたい。

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起業家 福田雄基

起業家 福田雄基

1991年、千葉県生まれ。日本体育大学卒業後、パーソナルトレーナーを経て、24歳で起業。15年間の野球経験を活かし、体のバランス測定器販売やトレーナー派遣、企業の健康面をサポートするコンサルティング業を展開。近年はトレーニング分野に限らず、通信販売やアイドルのイベント業務・メディア構築・プロデュース業も手掛けている。