最近、経済ニュースを騒がしているトルコリラの暴落について記してみたいと思います。

「高金利通貨」として有名になっていたため、通貨ということもあり日本でも割と大きく取り上げられていますね。

筆者は現在、「移動生活」をしていて、大体1~2カ月ごとに東南・東アジア、欧州、中米各国などに滞在しています。

この度、たまたまトルコに1カ月あまり滞在していて、この大暴落を経験することになったので、その現地レポートをさせてもらいます。

 7月下旬に入国した際には、23円ほどだった1トルコリラ(以下TL)が、一時は16円を切る価格にまで一気に落ち込みました。年初からの下落率は40%を超えています。

■市内の物価は?

 現在の街中の物価は(以下、9/4のレート16.65≒17円計算として)、トルコ名物の小さなチャイが一杯1.5~3TL程度、(25~51円)、食堂で腹いっぱい食べても、20TL(340円)程度です。

喫茶店のコーヒーで8-12TL(136~204)円程ほど。

となると、計算上はコーヒー1杯がわずか1カ月余りで、276円から204円まで下落したことになります。

 もともとトルコ、特にイスタンブール周辺はずっとインフレ・値上げが激しかったのですが、それが一気に解消されて数年前より安くなってしまったイメージです。

 地方では1TLショップなどもあり、日本の百円ショップで売ってるような小物類が軒並み1~3TL(17~51円)程度で売っています。

トルコのファストファッションの代表的ブランド「KOTON」などでは、Tシャツが1枚10~20TL(170~340円)程度で買うことができます。

 ただし、街中の食事や商品に比べると、ホテルやスパなど、外国人が多く利用する場所はそもそもユーロ建てのところが多いので、それほどの暴落という印象ではありません。

 こういった場合、ユーロでそのまま払うこともできますが、その日のレートでリラ建てにして支払うこともできるので、こう激しく日々のレートが変動すると、チェックイン時よりもチェックアウト時に支払ったほうがリラ建ての数字が大きくなってなんだか損したような気分になってしまうのです。

 街中のATMには常に多くの人々が並んでいます。

■外資系商品は安く買える?

 現在のイスタンブールは、外資の化粧品やブランド品などが1-2割引で買える状態なので、近隣諸国から購入目当てのお客がたくさん訪れています。

 そこでApple Storeについても調べてみました。

7月発売のモデル「Mac book pro」の値段を見てみると日本では258,800円のモデルが14,999トルコリラ。

現在のレートを仮に17円とすると、254,983円

むむむ。。。。わずかに安く買えるかなという程度。

 逆に言えば、このモデルが出た7月2日時点でのレートで日本円に換算すると352,476円(1TL23.5円)!!

そもそもかなり割高に設定されていたわけですね。

抜かりなし、アップル!。

 と、まあApple製品に関してはたいしてお得に買えない、ということがわかりましたが、実際、市中に並ぶ輸入品がかなり安く買えるのは事実のよう。

■人々の反応は?

 こうなってくると、もちろんトルコの人々たちも「防衛策」を考えるわけです。

 エルドアン大統領は外貨をできるだけリラへ交換するように、と何回も呼びかけを行っています。逆に言えばそれだけ資産を外貨に変える人々が多いということになります。

 これだけ、自分たちの通貨が「目減り=資産・給料が目減り」しているわけですから、実際にその渦中にいる人々はどういう認識でいるのだろう、と何人かのトルコの友人・知人に聞いてみましたが、経済自体は好調ということもあって特にまあ焦る様子もない風でした。

にぎわうモール

 しかし、トルコは出稼ぎ労働者および外貨仕送りの多い国でもあるので、もともと外貨として保持している金額もそれなりに多いようで、影響を100%受けているということではないようです(一説にはトルコの労働者は400万人、人口の5%以上と推定されている)。

 同時にトルコ国内で仮想通貨の流通量が急増しているという報道もありましたが、自分の周りではあまり仮想通貨に対する期待は少なく、それよりは「金(きん)」というイメージでした。

 これから原材料値上げに伴う物価上昇が待ち構えているはずですが、それには、少し時間差があり大きな値上げが来るのはこれから数カ月後という感じだそうです。

 しかし、米ドル、ユーロに続く、世界3位の流通量を持つ安定した「円」を中心に暮らしていると、なかなか気が付きませんが、貨幣の価値というのは思った以上にぜい弱かつ流動的なもの。

 お金が一夜にして紙くずになってしまったなんて例が世界にはたくさんあります。

 今回の流れが、波及的に通貨危機に結び付くかどうかはわかりませんが、貨幣経済に対する疑いというのは持ち続けたほうが良いかもしれませんね。

The following two tabs change content below.
バイラルワークス 早川大地
1977年東京生まれ。アプリ・音楽・メディア制作を行う株式会社バイラルワークス代表。自身もエンジニア、音楽プロデューサーとしての顔を持つ。現在は東南・東アジア、欧州、中米など1~2カ月ごとに国を移り、十数カ国を渡り歩く「移住生活」を行っている。