当時の推薦人を見てほしい。その後の「処遇」を見ると、首相周辺が「オールスター」と語る意味が分かる。

【2012年の総裁選 安倍陣営の推薦人とその後のポスト】

①下村博文=文部科学相
②甘利明=経済再生相
③秋葉賢也=厚労副大臣兼復興副大臣
④稲田朋美=行革担当相、防衛相
⑤今村雅弘=復興相
⑥江藤拓=農水副大臣
⑦加藤勝信=官房副長官、一億総活躍相、厚労相
⑧河井克行=首相補佐官
⑨城内実=外務政務官、外務副大臣
⑩佐田玄一郎
⑪柴山昌彦=首相補佐官
⑫新藤義孝=総務相
⑬高市早苗=総務相
⑭古屋圭司=国家公安委員長
⑮有村治子=行革担当相
⑯磯崎陽輔=首相補佐官、農水副大臣
⑰世耕弘成=官房副長官、経産相
⑱塚田一郎
⑲西田昌司
⑳松下新平=国交政務官、総務副大臣兼内閣府副大臣

 推薦人20人のうち、閣僚になったのは半数の10人。副大臣5人、首相補佐官2人で、「入閣」しなかったのは3人にとどまり、その「当選確率」は85%と極めて高い。

■2015年=「余裕のバランス」型

 大胆な「金融緩和」、機動的な「財政政策」、民間投資を喚起する「成長戦略」というアベノミクスの「3本の矢」で円安・株高を誘引し、ロケットスタートに成功した安倍首相は再登板後の3年間で強固な党内基盤を確保。国政選挙でも負けない戦いを繰り広げ、2015年9月の総裁選は「無投票」で再選した。

 その際、届け出た推薦人リストを見ると、現職宰相としての「余裕」が感じられる。まんべんなく各派閥から人選し、2012年9月の総裁選で見えた「お友達」や「思想的つながり」は影を潜めた。一方で、その後の3年間を見据え、「首相サイド」とは言えなかった人物を20人に加えるなど、さらに強固な党内基盤を確保したいとの思惑も透けて見える。

【2015年の総裁選 安倍陣営の推薦人とその後】

①塩谷立=党選対委員長
②鈴木淳司=経産副大臣
③亀岡偉民
④高階恵美子
⑤渡嘉敷奈緒美=厚労副大臣、環境副大臣
⑥若宮健嗣=防衛副大臣兼内閣府副大臣
⑦山下雄平=内閣府政務官
⑧寺田稔
⑨磯崎仁彦
⑩宮川典子=文科政務官
⑪中西祐介=財務政務官
⑫河村建夫
⑬中原八一
⑭森山裕=農水相
⑮熊田裕通=防衛政務官
⑯吉川貴盛
⑰小里泰弘
⑱斎藤健=農水相
⑲大野敬太郎=防衛政務官
⑳上野通子

 前回とは異なり、入閣したのは2人。官房長官や財務相など内閣の「骨格」は維持し、いずれも農水相での起用となった。副大臣は3人、政務官に5人をつけた。細田派から塩谷立氏を党幹部に据えた一方、9人はポストに就いていない。党選対委員長という重要ポストを含めた「入閣」は11人で、「当選確率」は55%だった。
《3 「今度の内閣改造・党役員人事はこうなる」に続く》

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言論ドットコム編集部

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