■2018年は=「最後の晩餐型」?

 ここまでの過去2回の総裁選を踏まえて、今回の推薦人リストを見れば、前回(2015年)のパターンに近いことがわかる。前回は細田派から党要職に起用し、ベテラン議員を入閣させた。そこから予想すれば、今回の推薦人からは橋本聖子氏と甘利明氏を閣僚または党要職に起用する可能性がある。

【2018年の総裁選 安倍陣営の推薦人】

①橋本聖子
②甘利明
③石原宏高
④衛藤征士郎
⑤遠藤利明
⑥大岡敏孝
⑦坂本哲志
⑧平沢勝栄
⑨堀内詔子
⑩宮越光寛
⑪渡邉博道
⑫青山繫晴
⑬有村治子
⑭佐藤正久
⑮高階恵美子
⑯柘植芳文
⑰塚田一郎
⑱羽生田俊
⑲三木亨
⑳水落敏栄

 今回の総裁選が「最後」と明言した安倍首相は、連続3選を果たせば悲願の憲法改正に向けて突き進むとみられ、そのために必要な陣容を整えるだろう。また、来年夏の参院選で改選を迎える議員を「入閣」させることを念頭に入れた推薦人リストであることもうかがえる。この2点を考慮すれば、首相補佐官としても尽力した磯崎陽輔氏を閣僚に起用する可能性がある。磯崎氏は来年夏の改選組でもある。

 推薦人のうち、改選組の三木亨氏、羽生田俊氏、塚田一郎氏、柘植芳文氏は副大臣または政務官に就かせることが予想される。安倍首相と近いながらも入閣経験がない西田昌司、衛藤晟一の両氏(ともに来年改選組)を党要職または閣僚にする可能性もあるが、両氏は「ポストにこだわらずに裏方から支える孤高のタイプ」(首相周辺)とされ、打診を固辞することも予想される。橋本聖子氏も来年改選組で、すでに党参院議員会長という要職に就いているが、JOC(日本オリンピック委員会)副会長という立場を踏まえ、「五輪相」に起用する可能性もある。

 今回の総裁選後の内閣改造を予想すれば、財務相、経済再生相、経産相など「内閣の骨格」は維持しつつ、総務相に山口泰明氏、法相に磯崎陽輔氏、農水相に江藤拓氏らをそれぞれ起用する可能性があると見る。山口氏は菅義偉官房長官にも近く、これまで菅氏から「今回は我慢してほしい。次こそは何とかするから」と言われてきた間柄でもある。

 党役員人事では、さすがに幹事長を二階俊博氏から交代する可能性は低いとみられるが、安倍首相が官房長官などの要職で育てたい意向とされる加藤勝信厚労相を「政調会長」に、裏方で政局を担ってきた萩生田光一幹事長代行を「選対委員長」にそれぞれ抜擢する可能性もあろう。首相に近い甘利明氏は「総務会長」に就くことがありそうだ。

 ここまで見ると分かるように、推薦人は前々回85%、前回55%と高確率で「ポスト」に就く。ただ、今回の20人は必ずしも安倍首相に近い人物が入っているわけではない上、「最後の総裁選」と首相が位置付けて臨むだけに、従来の方法にこだわらない可能性もある。首相は対抗馬の石破氏を応援した議員は「徹底的に干すつもり」(首相周辺)とされるが、9月20日の総裁選後に何を考え、いかなる人事を断行するのか。超・長期政権への切符を手に入れた「平成の大宰相のラストダンス」に注目が集まる。

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言論ドットコム編集部

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